僕の頭の備考欄

徒然なるままに日々の発見を書き綴ります.数学/情報技術/ダンス 要するに雑記です.

学生から見た「質のいいフィードバック」とはどのようなものか

最近ノートを見返していたら先の学期で取っていたグループワークの授業で担当教員や他の学生からもらったフィードバックを書きためたページが出てきました。褒め言葉とダメ出しの言葉が混じったページを眺めていると, なんというか気が引き締まるような, なんとも言えない気持ちになってきます。

言われたことをそのまま書き込んだものや付箋に書いてもらったものをベタベタと貼ったページをしばらく読んでいるうちに, 他の機会にもらったフィードバックも見てみたくなりました。

今まで学生をやっていてたくさんの場面で他者からのフィードバックをもらいました。授業の中で教員や周りの学生から, インターンで働く現場で上司やメンターから, コンペや発表会で審査員から。自分では気づけない自分の強み・弱み, 強化策や改善策などどれも大事な意見です。

思い返してみると, どことなく心に響くというか印象に残るというか, 成長につながりそうだなと思うフィードバックと, そうでないものがあるなと思いました。どうせもらうなら前者のようなフィードバックが欲しいところ。

というわけで, 学生の自分から見て「質のいいフィードバック」だなと思うものの特徴や注意点についてまとめてみます。要するに学生をもつ教員や部下を持つ上司の皆さんへのお願いです。

必ず良かった点と改善点の両方を伝える

良いところを褒められると嬉しいものです。モチベーションも上がります。それで満足する人もいるかもしれませんが, それだけだと個人的には物足りなさを感じてしまいます。完璧という状態は存在しないはずなので何かしら改善すべき点があるはずです。1つでも改善すべき点を言ってもらえるとそれ自体が大きな学びになるし, ちゃんと見ていてくれてるんだなと感じます。

逆にダメ出しだけ言われてもなんとなく気落ちしてしまいます。ごく稀に何を言われても屈しない強靭なメンタルを有している人がいますがあれは超レアキャラです。ほとんどの人は気落ちします。少なくとも僕はそうです。いいところとセットで言ってもらえると自己肯定感を保てます。

伝える時はハンバーガーメソッドで

ハンバーガーメソッド?なんじゃそりゃ?

これは以前ある授業の担当教員から教えていただいたものなのですが,

ポジティブフィードバック→ネガティブフィードバック→ポジティブフィードバック

の順で伝えるというやり方です。要するに「良いところ指摘をしてから改善すべきところの指摘をして最後また良いところの指摘で締める」ということです。

人にもよりますがいきなりネガティブフィードバックから入ると自信をなくしてしまうかもしれません。まずは褒める, いいところを言ってあげる。ネガティブなことはその後です。ただしダメだしで終わるのもこれまた締まりが悪いというか, 人によってはそれに引きずられてしまうかもしれません。なので最後もう一度ポジティブな言葉で締めます。この時の言葉は具体的な指摘でなくても大丈夫です。「お疲れ様, 素晴らしかった!」とか「次はもっといけると思うよ!」みたいな感じでいいと思います。最後それがあるだけでだいぶ前向きになれるものです。

次の行動を考えさせる

良いところがわかった!改善点もわかった!オールオッケー!...ではありません。 わかっただけでは人は成長しないのです。わかったことを元に行動を起こして初めて成長します。

次にどういう行動を起こせばいいのかを考えさせるところまでしてもらえると「濃いフィードバックだな!」と感じます。

例えば, 「プレゼンの中身はとてもまとまっててよかったものの少し早口になってしまっていた人」に対してフィードバックをする場合, それを伝えるだけでなく, このあと「どういう行動をとれば次のプレゼンで早口にならなくて済むか」ということを考えさせるのが重要。

欠点を知ったはいいものの対策行動をとらない人, 結構多いですよ。

難しい言い回しを使わない

すぐややこしい言い回しや横文字を多用したがる方。うんうんと頷いて聞いているようで学生はなんのことだかさっぱりわかっていません。何も知らない若者に自分の知識をひけらかし愉悦に浸りたい気持ちを抑えて, わかりやすい言葉で簡潔に伝えてください。そういう人の方が好感度高いです。

例えば, 「定量情報とロジカルシンキングでイシューをモデル化して主観を排してアウトプットしよう。」とか言われてもちんぷんかんぷんです。

シンプルに「数字を用いて論理的に説明してみよう。」って言ってください。


最近は学生をインターンとして迎え入れる企業がベンチャーを中心に増えてきました。僕も何社かお世話になりそこでいただいたフィードバックが今に活きています。外資投資銀行コンサルティングファームでは就職の面接時にも手厚いフィードバックをもらえると評判だそうです。それだけのために外コンや外銀を受ける学生も多いんだとか。人気のある企業はフィードバックの質がいい。僕たち学生は未熟者です。上に立つ経験豊富な人々の質のいいフィードバックを期待しています。

この記事がすべての学生思いの教員, 部下思いの上司に届きますようにーー。