僕の頭の備考欄

徒然なるままに日々の発見を書き綴ります.数学/情報技術/ダンス 要するに雑記です.

【メモ魔】SHOWROOM前田裕二さんのノート術を実践してみた

あの女優の石原さとみさんと熱愛中のIT社長としてもっとも羨ましがられる存在となった, ライブ配信サービスSHOWROOM代表取締役の前田裕二(@MDUG)さん。

あのDeNAの南場会長も惚れ込んだ, 自らの成長に対して超絶ストイックで謙虚な姿勢を持つことは業界でも有名なお話。

目の前の課題に徹底的にコミットし, 結果を出す前田さんの下支えとなっているメモ術NewsPicksでも話題になった。

newspicks.com

デキるビジネスパーソンはメモをとるとよく聞くが, 確かに前田さんを始めとして成果を出している一流のほとんどは他人よりメモやノートを取っている印象だ。

学生時代からたくさんメモを取る習慣があったという前田さんのメモのまとめ方の特徴は,「 ファクトを元にそれを抽象化すること 」だ。

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ノートは見開きで使い, 左のページに見たこと聞いたこと, 気付いたことなどファクト(事実)をひたすら書き込む。 それを右のページの半分で抽象化した命題にし, さらにその転用・応用まで考える。

これを以下のポイントを意識して実践しているそうだ。

  • 思いついたらその場で書く
  • 書きながら思考を整理・構造化する
  • 内容が一言でわかる標語をつける
  • 主観論と客観論を分ける(記号や色分け)

今回はこれを大学生の僕自身が実践してみたのでそのポイントと感想をまとめてみる。

ファクトを書き込む

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画像はある日の僕のノートの見開きだ。(字が汚い...)

使っているのはB5のドットノート。いくつか項目があるが1つ具体例をあげてみる。

今回僕は「普段テレビをあまり見ない僕がクイズ番組はなぜかついつい見てしまう」という気付き=事実に注目した。

このとき「なぜ自分はクイズ番組をついつい見てしまうのか?」ということを分析したかったので, 具体的な番組をあげてその内容も書き出してみた。

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TBSの「東大王」という東大生4人と芸能人がクイズで勝敗を争う番組だ。番組構成と出演している人物などについてわかることを書き出す。

この時左の欄に, 書いている内容の標語をつけていく。書いていることを一言で表せるように要約するのがポイントだ。

前田さん曰く, 「人に伝えたくなるときに思わず内容を聞いてみたくなるような標語をつける」ことがポイントだそう。

抽象化する

次に, 右ページの左半分を使ってファクトを抽象化していく。

今回の場合, クイズ番組というコンテンツの"面白いと感じる部分"を抽出し, 普遍的なコンテンツに対して組み込める”面白さ"を言語化するのがゴールだと言える。左ページで書き出した内容から面白いと感じる要因になっていそうなことを書き出す。他のテレビ番組と比較したり, 自分が面白いと感じる別の分野のものと比較してみたりした。このとき, そのときの自分の気持ちやそのように考えた理由なども併記しておくと, 後に振り返りがしやすい。

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抽象化のポイントは,

  • 同種のものや違う時間軸との対比
  • 細部と対局を交互に見てみる
  • その物事や問題の過程を時系列で整理する

などがある。

5W1Hのどれかを他のことに置き換えてみたりすると考えやすいかもしれない。

さらに, 図を使うなどして内容の流れや構造を視覚的にまとめることを意識する。

転用を考える

最後は転用だ。抽象化, 一般化した命題を何かに転用・応用できないかを考える。

先の抽象化に対してこの作業は具体化だと言える。具体的な応用例や新しいアイディアが書ければベストだ。

個人的には, 無理に具体例に落とし込むところまでしなくても, 次に思い出したときに使えるフレームワークのような形にまとめるくらいにとどめても良いと考えている。

重要なのは抽象化によって得たことが何かしらの価値を生める状態にすることなので, 次に何かに活かせるナレッジとして書き留めておく。

やってみての感想

このような流れでしばらくノートを取ってみた。やはり最初のうちはとても時間がかかる。簡単にまとめられるものもあれば時間をかけて考察しなければまとまらないものもある。

しかし, 具体と抽象を行き来するのは重要な思考トレーニングだということを再認識させられた。普段から物事を分析する習慣を身につけているつもりでも, 自然と避けているテーマや頭の使い方があるなと気付いた。観測した事実を強制的に抽象化して意味のある形にまとめるので, これが習慣になれば強いと思った。

事実と自分の分析を分けて書くので, 後で振り返ってみたときにパッと見て内容が頭に入ってくるのが良い。

とは言え最初は少しハードルが高い作業かもしれない。

ファクトだけをかたっぱしから左ページに書きなぐっていって, 1日の終わりや週末など時間のあるときに抽象化と転用を考えるのが継続するコツだと思った。

ファクトの部分に何を書いていいかわからない場合は, ニュースやいま話題になっていることを書くところから始めると良いと思う。それらも立派なファクトなので分析してみる価値は十分ある。

巷には「成果が出るメモの取り方」とか「一流のノートのまとめ方」なる書籍などがたくさんあるが, どれも本質はいたってシンプル。事実を元に自分の思考を整理し構造化することだ。見たことや学んだことを, 活用できる自分の資産に変えるツールとしてメモを活用していきたい。